◆審判前の保全処分
成年後見人(保佐人・補助人)選任の申立て中も本人の生活は続いておりその間の本人に対する、権利侵害を防ぐために「審判前の保全処分」という方法があります。
- 審判前の保全処分の申立てができる人は、成年後見開始(保佐開始・補助開始)の申立てをした「申立人」です。成年後見開始(保佐開始・補助開始)の申立と同時に申し立てることができます。
家庭裁判所から、成年後見人(保佐人・補助人)候補者に「審判前の保全処分」申立てをすべきことを助言されることがあります。その際は、家庭裁判所に指示を聞き適切に対処します。 - 家庭裁判所は、他人からの財産侵害などの恐れがあり、本人の財産の保全が必要であると認めた場合、本人の財産上の行為について成年後見(保佐・補助)を命ずる審判を行います。この審判のことを後見命令(保佐命令・補助命令)と呼びます。
- 後見命令(保佐命令・補助命令)がでた場合、財産管理者は「財産管理者選任の審判書」を金融機関に提示し、預貯金の払い戻しなどを行うことができます。
また、財産管理者の同意を得ないで行った本人の行為について取り消すことができます。
「審判前の保全処分」は正式に成年後見人(保佐人・補助人)が決まるまでの仮の対応です。したがって成年後見開始(保佐開始・補助開始)の申立てを 行った場合にだけ「審判前の保全処分」の申立てができます。「審判前の保全処分」も申立てをするには、家庭裁判所に対して、保全処分が必要であるというこ とを説明するための資料を提出する必要がありますので、具体的な資料については家庭裁判所に確認が必要です。
など、審判前の保全処分の申立ての手数料は不要ですが、登記手数料として登記印紙2,000円および郵便切手などが必要です。